MANAGEMENT SIDE
MANAGEMENT SIDE
「これ、チェックお願いします!」
「一応出来てると思うので、次お願いします」
「ざっと見ただけなんですが、一旦出しておきます!」
……ちょっと待って、それ自分では本当に確認した?
制作サイドが“終わった気分”で投げた作業物。
だが営業やディレクターが開いてみると、明らかに表示崩れやリンクミス、誤字脱字のオンパレード。「確認されてる前提」で動いているのに、現実は未チェックで丸投げだった。
なんて地雷、ありませんか?
チェック出しが“納品”ではなく“引き継ぎ”であること。
それを忘れたとき、チームにかかる負担は一気に膨れ上がります。
今回は「作りっぱなしチェック出し」に潜む危険と、その解決策を考えます。
制作物を自分のローカル環境だけで確認し、「問題ない」と思い込んだまま初稿として提出するケース。誤字脱字、デザインの崩れ、リンクの不備など、本来事前に確認すべき基本的なミスがそのまま校正に出されてしまう。
結果として、営業やディレクターが「最終確認」ではなく「バグ発見」の役割を担わされ、テスト係と化してしまう。これは時間的ロスだけでなく、社内の信頼関係にもヒビを入れる。
制作側が「一旦見てください」と提出したものの、確認するとバグが多発。修正依頼を出しても、該当箇所だけを直して他はノーチェック。再提出されたものにも新たなミスが含まれ、再び差し戻しが発生する。
この“修正ごとに別の崩れが生まれる”状態がループし、プロジェクトは進行しながらも信頼を削られ続ける。根本的な原因は、「修正内容以外に目を通していない」ことにある。
表面的には「確認しました」と言っていても、実際にはリンクが切れていたり、表示が崩れていたり、明らかなミスがそのまま残っている。
「確認したつもり」で提出するクセが抜けず、何度フィードバックしても同じミスが繰り返される。これは単なる作業ミスではなく、“自分の成果物に最後まで責任を持つ”という意識の欠如が原因。確認の質を高める習慣が身についていないと、どれだけ注意しても改善されず、最終的にはチーム全体の生産性や信頼にも影響する。
この問題の根本には、「自分のタスクが終わればOK」という思い込みがあります。
制作サイドは「納品物を出す=仕事が終わった」と考えがちですが、本来チェック出しとは、“次の工程にバトンを渡す”行為。
こうした“最後のひと手間”を省略することで、チーム全体の負荷が倍増します。
しかも多くの場合、バレるのはクライアントに渡った後という最悪のパターン…。
誤字・リンク切れ・レイアウト崩れなど、基本の確認リストを共有して習慣化。
チェック出し=提出ではなく「品質確認の通過儀礼」にする。
「〜のブラウザで確認済み」「レスポンシブ未対応」など、自分が確認した範囲や不安な点を共有すれば、相手も安心して受け取れる。
片方だけに負荷をかけず、“バケツリレーではなく、キャッチボール”の意識を持つ。
会話の中でミスを防ぎ、クオリティアップにもつながる。
チェック出しはゴールではなく、プロジェクトの次のフェーズへの入り口。
“次にバトンを渡す人”のことを思えば、確認の手は自然と丁寧になる。
「作りっぱなしチェック出し」は、プロジェクトの進行を鈍らせる見えにくい落とし穴です。
表面的には「提出した」ことで仕事が一区切りついたように見えても、実はその裏で、“未確認のツケ”が静かに積み重なっていきます。
どんなに小さなチェック漏れも、それを受け取った相手には倍の労力として返ってくることがあります。
だからこそ、自分の作業の“出口”が、相手の“入口”であるという意識を持つことが大切。
そしてこの意識は、制作だけの話ではありません。
営業もディレクターも、それぞれの持ち場で「何を確認してから渡すか」「どこまでを完了とするか」をすり合わせることで、チーム全体が強くなるのです。
「これは誰が見るのか?」
「次に動く人が困らない状態だろうか?」
この問いを習慣にすれば、“無責任な地雷”は必ず減らせます。
品質も信頼も、“ちょっとの気配り”の積み重ね。
それができるチームこそが、強くてやさしいチームなのだと思います。