JIRAIZUKAN

MANAGEMENT SIDE

営業・ディレクターが踏む地雷

意思疎通ガチャ地雷:Trigger.04

勝手に解釈フィルター

プロジェクト全体に関わる共有事項。
「チャンネルに投稿すれば、誰かしら目を通すだろう」と思っていたのに、後日ぽつりと飛び出す一言。

「すみません、自分に関係ないと思ったので読んでませんでした」

――いや、関係あるよ。むしろ、めちゃくちゃあるよ!

なぜか情報が“勝手に”フィルタリングされてしまい、あとから「聞いてません」「知りませんでした」のオンパレード。
現場に漂うのは、「言ったのに通じてない」虚無感と、「読んでないのが悪いのか、読ませなかったのが悪いのか」みたいな微妙な空気。
今回は、“情報は届いているのに、届いていないことになる”現象と向き合います。

ケーススタディ

ケース1:「情報=“指示”じゃないとスルーされる」

共有資料も、進捗報告も、「自分宛てじゃないから」とスルー。
読んでないことが後で判明すると「でも指示じゃなかったですよね?」と逆ギレ風味。
“指示以外の情報”も読んでほしい場面は、実はかなり多い。

ケース2:「関係あるかどうか、自分で決めている」

「これって自分の業務には関係なさそう」
その“自己判断”で情報がブロックされる。
実際には、先々で必ず関係してくる内容だったりするのに…。

ケース3:「投稿チャネルが多すぎて、どこで何が共有されたのかわからない」

「見てませんでした」「気づきませんでした」の背景に、情報設計の崩壊が潜んでいることも。チャット文化によくある現象で、ちゃんと“届ける設計”がないと、重要情報もただのノイズに。

解説

この現象の背景には、情報に対する“受け取り方のズレ”があります。

私たちは日々、大量のメッセージや通知にさらされています。
だからこそ、「これは自分に関係あるのかどうか?」を瞬時に判断する“フィルター”を無意識にかけてしまうのは、ある意味仕方のないこと。

ただし、そのフィルターが主観的すぎると、
・「その件、知らなかったんです」
・「言われてないと思ってました」
・「自分は関係ないと思ってスルーしました」
…という、あとあと面倒なズレを生むのです。

たとえば
共有ドキュメントを投稿した時点で、「みんなに伝えた」と思っていたら、「自分に宛てられたものじゃないし…」と誰にも読まれていなかった。
確認してほしい内容なのに、「“必須”って書いてなかったので見てませんでした」と返された。

このように、“書いた”=“読まれた”ではないという現実に、私たちはもっと敏感になるべきです。

情報発信者と受信者の間にある“温度差”や“意識差”をどう埋めていくか。そのために必要なのは、ただの“通知”ではなく、意図のある共有。そして読み手側にも、「これはきっと自分に関係ある」と思えるような解釈のセンスが求められます。

解決策

情報には「読んでほしい理由」を添える

ただ投げるだけでは、伝わりません。
「なぜ読んでほしいのか」をセットで伝えるだけで、受け手の姿勢が変わります。

「自分に関係ある/ない」の判断軸を揃えておく

「このジャンルの情報は、全員見る」などの共通認識があると、誤解フィルターは減る。

誰にどう読んでほしいかを明示する

「〇〇さんは特に読んでおいてください」など、具体的に。
曖昧な“みんなに”は、たいてい“誰にも”届かない。

情報の整理とアーカイブルールを決めておく

後から確認できる場所・見に行く習慣があるだけで、スルー率は激減。

まとめ

「共有したはずなのに、なぜか通じてない」そんなモヤモヤは、誰もが一度は経験しているはず。

この“解釈フィルター”問題のやっかいなところは、「伝える側」と「受け取る側」双方に原因があることです。

伝える側が情報の粒度や伝え方を工夫していないと、スルーされがち。受け取る側が「自分ごと」として受け止める姿勢を持たないと、伝わらない。

つまりこれは、“チーム全体の設計ミス”なんですよね。

だからこそ、

  • ・情報の重要度・背景を「ちょっとだけ丁寧に」伝える
  • ・「誰に、どう関わる話なのか」を具体的に示す
  • ・チームとして「こういう情報は全員見るよね」という前提を育てる

といった、ちょっとした習慣の積み重ねが大きな違いを生みます。

情報のやりとりに“信頼”があるチームは、「それ、自分の仕事じゃないかもしれないけど一応見ておこう」という前向きなリアクションが生まれやすい。
逆に、責任の所在が曖昧だったり、通知疲れが蔓延しているチームでは、情報がどんどんノイズ化していき、「結局、何が大事なのか」が誰にもわからなくなってしまいます。

“伝えた”だけで満足しない。
“読んでない”ことを責めない。

その中間にある、「伝わるための仕組み」をみんなで考えていく。
これが、“通じるチーム”への第一歩です。

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