MANAGEMENT SIDE
MANAGEMENT SIDE
デザイン提出まで、細かくレビューを重ねてきた。
クライアントとも綿密にすり合わせた。
自信を持って渡したデータなのに、完成したものを見たら……
「え、なんでここ、こんなに間延びしてるの?」
「この配置、ただ四角を並べただけじゃん…」
そんな光景、見たことありませんか?😇
確かに、デザイン通りに”形”は再現されている。
でも、本当に伝えたかった“ニュアンス”や“意図”までは、きちんと受け取られていなかった。
コーダー側からすれば「指定通り作った」という主張。
でもこちらからすると、「大事なところが抜け落ちてる」感覚。
このズレ、プロジェクトを静かに蝕みます。
「並んでるだけで完成って思ってるなら、仕事って何だろう?」
そんなモヤモヤを抱えたことがある人へ。
今一度、“デザインの意図を汲む”ということについて考えてみませんか?
トップページのデザインは、余白とリズム感で高級感を演出していた。ところが、完成版を見ると、詰まったような窮屈な印象に。レイアウトは合っていても、余白の「意味」が再現されていなかった。
「デザイン通りに作った」と言われても、意図が抜ければ、ただの作業になる。
最新ニュースだけを強調するため、微妙な余白やフォント差をデザインしていた。
でも、コーディング後には全部同じトーンに。
理由を聞くと、「特に違いがあるとは思わなかった」との返答。
細かな意図を汲み取らないと、リストページはただの「文字の羅列」になってしまう。
ボタンやバナーは、ほんの少しの影やグラデーションで立体感と動きを演出していた。
しかし、完成版ではすべてがフラットで無機質に。
聞いてみると、「CSSでわざわざ影付ける意味あるんですか?」とバッサリ。細部のニュアンスを無視されると、サイト全体が一気に素人っぽく見えてしまう。
この問題の本質は、「デザインを見る視点」と「実装を見る視点」が乖離していることにあります。
デザイナーは、単に「きれいに並べる」ことだけを考えているわけではありません。
など、見えない部分に多くの工夫と意図を込めています。
しかし、コーダー側がそれを汲み取らず、単に「そこにあるものをそのまま配置する」という作業に徹してしまうと、ページは一見正しくできていても“魂の抜けた”アウトプットになります。
そして恐ろしいのは、このズレは完成時にはなかなか指摘しにくい、ということ。
「ここ、なんか違う気がするけど、何が違うって言いにくい」
そんな違和感のまま、公開され、積み重なり、ブランドの力を少しずつ削っていく。
だからこそ、デザインの意図を汲む文化、コーディングも「再現芸」ではなく「共創作業」であるという意識づくりが、本当はとても大切なんです。
デザインデータだけ渡して終わりにしない。
「この余白はリズムのため」「このカラー差は注目の強弱」など、意図を言語化して添えることで、コーダーとの認識ズレを防ぐ。
「なぜこのデザインなのか?」を、実装側でも考えるクセをつける。
作業者で終わらない姿勢を育てることで、再現力は劇的に上がる。
「見た目の合致」だけでなく、「空気感が保たれているか」をレビュー基準に。
中間段階で意図ズレを早期発見し、手戻りリスクを減らす。
特に意図を汲んでほしい箇所(例:メインビジュアル、キービジュアル周りなど)は、明示的にドキュメントに残すことで、見落としを防ぐ。
デザインの意図が正しく実装されないとき、最初に矢面に立たされるのは往々にしてディレクターや営業です。
「ちゃんと指示してなかったんじゃないか?」
「完成イメージをもっと伝えるべきだったんじゃないか?」
でも本当は、それは誰か一人の責任じゃない。
デザインも、実装も、共有も、全部“チーム”で成り立っているはずです。
プロジェクトはリレー競技です。
バトンをただ渡せばいいわけじゃない。
相手がしっかり受け取れたか、走りやすい形になっているかを確認することが大事。
「指示通りやったのに」と言う前に、「意図までちゃんとキャッチできてたかな?」そんなふうにお互いを思いやれるチームになれたら、
この地獄の連鎖は、きっと断ち切れるはずです。