JIRAIZUKAN

MANAGEMENT SIDE

営業・ディレクターが踏む地雷

デザイナー・コーダー間の断絶地雷:Trigger.04

地獄の幕開け。チェックの定義知らんのか。

「一通りできました!」と渡されたデザインやコーディングデータ。
いざ開いてみると…リンク切れ、スペルミス、余白崩壊、仕様無視。
「いや、これのどこが“できた”状態なんだ」と、深夜にため息をつきながら、1つずつ潰していく羽目に。

そもそも“できた”って、誰基準?
「エディタ上で表示されてるからOK」?
「とりあえず見たつもり」?
その“つもり”で仕事を投げてくる現場に当たると、ディレクター・営業側は確認という名の修羅場に突入することになります。

「納品された=信用できる」なんて、もう幻想でしかない。

ケーススタディ

ケース1:「ブラウザで見たら全然違う」

「できました」と渡されたコーディングデータ。
確認したら、SafariとFirefoxで表示が崩壊。
エディタ上だけで確認してたらしく、クロスブラウザテストはゼロ。
「そりゃズレて当然だよね……」と脱力。

ケース2:コピペなのに間違ってる地獄

見比べてみると、原稿のペーストミスがあったり、テキストが抜けていたり、テンプレ流用してて、テキストや画像の差し替えがされてない。
確認しても「ちゃんと見てなかったかも…」その一言で済まされる理不尽。
仕様どおりかをチェックするのは誰? 結局こっち。
チェックの定義がバラバラな現場では、地味な手戻りが何度も繰り返される。

ケース3:「性格的に“なんとなく完成”でOKにする人」

過去にも何度も見落としがあった人物に依頼。
「慎重さがないタイプだな」と警戒しつつも、「今回はさすがに大丈夫」と信じてしまったのが運の尽き。
毎度同じようなチェック漏れが発生。
結局、信じた自分が甘かっただけ。

解説

確認ミスの原因は、「チェックをしたつもり」になること。
ただ眺めるだけで確認した気になったり、そもそもどこを見るべきかを把握していなかったりする。

チェックというのは、

  • ・原稿と照合して文章に誤字脱字・差異がないかを確認
  • ・仕様書や設計指示と突き合わせて構造・ルールが守られているか確認
  • ・PC・スマホ・主要ブラウザで意図どおりに表示されているか確認
  • ・操作導線やアニメーションが機能要件を満たしているか確認

といった、複数の視点で“照合”する作業のこと。

にもかかわらず、
“なんとなく動いてる”からOK、
“手元で表示されてる”からOK、
“よくわからないけど大丈夫そう”で進行する人が一定数いる。
これは確認漏れというより、確認不在です。

そして一番厄介なのが、こうしたミスは性格に起因することが多いということ。
・慎重さに欠ける
・詰めが甘い
・細かい指摘を軽視する
・作業終了=提出と考えている

こういうタイプの人にあたると、何度同じような漏れを繰り返しても、改善されない。

「この人、そもそも“きちんと確認する”という思考がないのかも」
そう思った瞬間、プロジェクトが詰むリスクが見えてくる。

解決策

「確認=照合である」ことをチームに徹底共有

「確認って何をどうすればいいのか?」を言語化して伝える。
原稿との突き合わせ/表示崩れチェック/仕様遵守の3点を必須にする。

「人の性格に依存しない」確認フローを作る

「この人ならやってくれてるはず」という属人性を排除。
ブラウザチェックや原稿比較など、作業後のチェックリストを提出必須に。

「信用を失う仕組み」を見せる

繰り返し同じミスをする相手には、「次ミスが起きたら、別の人に切り替える」と明示する。
信用=蓄積型だが、失うと一気に地獄行き、を体感してもらう。

まとめ

「確認しました」この言葉ほど、当てにならないものはないかもしれません。
何を、どこまで、どうやって確認したのか?
それが明示されていないなら、それは単なる“作業の終了宣言”に過ぎません。

チェック漏れが頻発する現場の多くでは、確認=“目視でざっくり見るだけ”という認識がまかり通っている。
そしてそれが、指摘ミス・仕様漏れ・表示崩れといった小さな火種を生み、最終的にはクライアントからの信頼損失という大火事に繋がります。

しかも問題は、「性格的に雑な人」が一定数存在するという事実。
悪気はなくても、“詰め”ができない。
「動いてるからOK」といった思考が根底にある。
その性格的傾向は、たとえ何度ミスを指摘しても、根本的に変わらないことも多い。

だからこそ、営業やディレクターが仕事を依頼する際には、「この人はちゃんと照合確認ができる人か?」という視点で見極める必要があります。
もし信用が置けないなら、作業者の“確認作業”までを発注側でやる覚悟がいる。
でもそれって、本来の役割分担としておかしい話です。

信頼とは、“再確認の必要がない”という状態に近づけること。
そのためには、確認方法の明文化・性格的な特性の把握・そして“信用を失った先の責任”を全員で共有する必要があります。

「確認」を軽視する現場に、「安心して任せられる関係性」は築けない。

仕事とは、最後までやりきる責任を、丁寧に積み重ねる営みです。そこに“性格任せの雑さ”が入り込んだ瞬間から、プロジェクト全体のリスクは指数関数的に膨れ上がるのです。

  • ・“見る”だけで確認したつもりの人
  • ・“性格的に雑な人”
  • ・“照合”をしない現場

そういった地雷源に仕事を出すなら、確認者はマニュアルレベルの再チェック覚悟で臨むべきです。

でも、それって本来あなたの仕事じゃない。
制作側がやるべき“確認”という仕事を、なぜディレクターや営業がやり直さなきゃいけないのか。

「確認=作業者の責任」。
それが徹底されない現場には、もう二度と仕事を出すべきではありません。

“確認”を軽んじる現場に、“信頼”は絶対に育たない。

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