JIRAIZUKAN

MANAGEMENT SIDE

営業・ディレクターが踏む地雷

デザイナー・コーダー間の断絶地雷:Trigger.02

設計スルー爆弾、いつの間にか私の足元に。

スケジュールも要件も、ちゃんと整理していた。
関係者とも共有した。
技術側から「いけそうですね」って返事ももらった(ように思ってた)。
なのに、いざ動き出してみたら……

「これ、どうやって作るんですか?」
「その仕様、誰も確認してないですよ」
「え、実装方法って決まってたんですか?」

……こっちだって聞きたいわ!

“誰かがスルーしていた”実装検討のツケを、なぜか営業やディレクターが被るハメになる。そんな理不尽な爆弾、仕込まれていませんか?

ケーススタディ

ケース1:クライアントの「ざっくり要望」が実は地雷

「この仕様、なんとなくでいいんで対応できますよね?」と軽く言われた通りに通していたら、後日、エンジニアから「いやこれ、実装には根本的な設計が必要です」とストップ。
結果、「ちゃんと確認してなかったんですか?」と責められることに。

ケース2:デザイナー側の“盛りすぎ”が爆発

デザインの段階で、仕様にないアニメーションや表示切替を盛り込んでしまい、コーダーに渡った段階で「実装は可能ですが工数かかりそう」とリターン。クライアントはデザインをOKしてしまっているため、後戻りできず泥沼化。

ケース3:技術サイドの「いけそう」の罠

初期に「実装できますか?」と聞いたときは「まぁいけそうですね」と曖昧な回答。
でも本格的に作業に入る段階で、「出来ると思ってたけど無理そうです」と頼りない発言。どのタイミングで誰が詰めるべきだったのか、もはや誰も答えられない。

解説

このタイプの事故は、個人のミスというより組織的な盲点によって引き起こされます。
誰かが「詰めてるだろう」と思い込むことで、責任が空中分解。営業やディレクターが段取りしても、技術やデザイン面の“詰めどころ”がボンヤリしたまま進行していると、最終工程で仕様のズレや不整合が一気に噴き出します。

特に厄介なのは、クライアント側が明確な指示を出さないまま「そちらでいい感じに」と丸投げしてくるケース。このとき、制作サイドも“いつか誰かが決めてくれる”と流してしまい、気づけば誰もジャッジしていないというパターンに。

この地雷は、「人は思ったよりも、決めごとを人任せにする」という前提で行動しないと、いつまでも繰り返されます。

解決策

「技術の目でのゴーサイン」をもらうまでは、本当の“仕様”じゃない

クライアントが納得していても、デザインが完成していても、実装責任者が“やれる”と言うまでは“仮”とするルールを徹底。

制作フェーズに入る前に「確認者リスト」と「設計確認チェック」を明文化

「誰がどこまで見たか」「どの時点で合意があったか」を洗い出して、プロジェクト進行に“証拠”と“記録”を残しておく。後から言った言わない防止にも。

関係者全員に「見落とした責任の所在」が自分にもある意識を持たせる

“見てなかった”“伝わってなかった”は、もはや免罪符ではない。
仕様は空気じゃなくて、全員の責任。明示して握る文化が必要です。

まとめ

実装方法の検討がすっぽり抜け落ちていたとき、なぜか最初に怒られるのは、その工程を“お願いしてたはず”の営業やディレクター。
でも、冷静に考えれば、それってちょっと変ですよね。本来その責任は、プロジェクトに関わる全員で共有すべきもののはずなんです。

たとえば

  • ・「できます」と言った人は、本当にその実装方法をきちんと詰めていたか?
  • ・「仕様通りでOK」と判断したその内容、全員の認識がちゃんと揃っていたか?
  • ・その工程、“誰かがやってくれる”と信じ込んでいたけど、そもそも担当が決まっていたのか?

プロジェクトは、どこまでいってもチームプレイです。
ただし、ひとつだけバトンの渡し忘れが起きれば、その瞬間から、走者はリレーではなく孤独なマラソンを走ることになります。

「これは誰が詰めるべきか」「誰に渡したのか」「自分の確認はどこまでか」これをあらかじめ明確にしておくだけで、防げる事故は山ほどあるんです。

もういい加減、「私が悪いんじゃないのに…」と内心モヤモヤしながら謝る役、卒業しませんか?
あなたが一番悪いわけじゃない。でも、最前線に立つ人だからこそ、事故を未然に防ぐ仕組みをつくれるのも、あなただけかもしれません。

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