CLIENT SIDE
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「こちらの希望はしっかり伝えたはずなのに、なぜこうなった?」
そんな“ズレまくったWEBサイト”を納品され、がく然とした経験はありませんか?
プロジェクトのスタート時に、しっかりとしたヒアリングが行われず、要望やビジネスの背景が理解されないまま制作が進行。そして完成したのは、表面的なデザインだけは整っているけれど、内容も機能も目的も「まるで別の会社のサイト」そんなズレた成果物。
依頼側からすれば「こっちは最初に説明したよね?」「資料も渡したよね?」という思いしかなく、制作者の“聞く姿勢のなさ”や“確認不足”に怒りや呆れが募ります。これは単なるミスではなく、“プロとしての姿勢”の欠如です。
ヒアリングをおろそかにする制作会社は、結果的に「クライアントの代弁者」ではなく、「ただの自己満足クリエイター」に成り下がってしまいます。
業種特有の強みや、地域密着であることなど、ヒアリング時に丁寧に伝えたにもかかわらず、納品されたのは汎用的な「会社紹介テキスト」。他社と何ら変わらず、らしさゼロ。明らかに事業理解の浅さを感じる内容にがっかり。
ブランドメッセージやビジョンを話し合って共有したつもりだったが、なぜかトップのメインコピーが「価格で勝負!」のような表現に。高品質・丁寧なサービスをウリにしている企業にとっては、真逆の印象になってしまい修正を要請。
複数のサービスを取り扱っており、特に注力したいサービスを事前に指定していたが、それがページに反映されていなかった。「聞いてない」と制作者に言われ、メール履歴を探して証明する羽目に。結局追加対応となり、スケジュールも予算もズレた。
ヒアリングは、制作の“出発点”であり、そこがズレていれば、どれだけ美しいデザインを施しても、完成したサイトは「目的からズレたモノ」になってしまいます。
実際、ヒアリングが形骸化している制作会社では、テンプレートの質問を淡々とこなすだけだったり、ヒアリングシートの入力だけで済ませたりと、深掘りする姿勢が見られません。「ヒアリング=要望の確認」としか捉えておらず、“その要望の背景”や“目的”を読み取ろうとする意識がないのです。
また、「デザインの方向性だけ聞いて、あとは勝手に作る」というスタイルも要注意です。なぜその色か、なぜその表現かといった意図が説明されず、ただの“制作者の好み”で構成された自己満足サイトになるケースが少なくありません。
ズレたサイトは、結局修正に多くの時間とコストを要するうえに、関係性にもヒビが入りやすく、双方にとってマイナスです。
単に「こんな見た目にしたい」ではなく、「なぜそうしたいのか」「どういう成果を目指しているのか」まで明確に伝えるようにしましょう。要望の背景を共有することで、制作側も“表面的な対応”でなく、目的志向の提案をしやすくなります。
ヒアリング後に「内容確認」のドキュメントを提出してもらい、それに対してクライアント側からも補足・修正を入れる機会を持つことで、解釈のズレを未然に防ぐことができます。確認作業を“対等な工程”として扱うのが理想です。
ヒアリングから即デザインに入るのではなく、まずはサイト構成案やワイヤーフレームの段階で方向性をすり合わせるフェーズを用意することで、大きなズレを回避できます。小さな段階での合意形成が、完成度を大きく左右します。
どんなに優れたデザインや構成でも、それがクライアントの目的や思いとかけ離れていれば意味がありません。そして、そのズレの大半は、ヒアリング不足や確認ミスといった、非常に“初歩的な原因”に起因しています。
「言った・言わない」「伝えた・伝わってない」で揉める案件ほど、後に尾を引き、信頼関係を壊していきます。そうならないためには、制作会社側だけでなく、クライアント側も“伝えるべき情報”を丁寧に共有し、内容が正しく伝わっているかを逐一確認する必要があります。
これから制作を依頼する際には、「この担当者はちゃんと“聞いてくれる人”か」「受け取った情報をどう咀嚼しているか」をしっかりと見極めることが、プロジェクト成功のカギとなります。
“聞く力”のない制作者は、いくら実績があってもズレたものしか作れない。
逆に、話を正しく受け止め、意図をくみ取って提案してくれる制作者こそが、信頼できる真のパートナーです。