CLIENT SIDE
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一見オシャレ。配色も写真もカッコいい。けれど、使いづらい。何を伝えたいのかも分からないし、欲しい情報がどこにも載っていない。こうしたWEBサイトは、いまもなお多く存在しています。
とくに「グラフィック制作が得意な会社にWEBもお願いした」パターンに多く見られるのが、“見た目重視で中身がない”という構造的欠陥。本来、WEBサイトとは「成果を出す仕組み」であり、ただのデジタルポスターではありません。情報設計、ユーザー導線、更新性、SEOなど、あらゆる要素が連携してはじめて、目的達成に近づくのです。
にもかかわらず、初期ヒアリングの時点で「オシャレな感じで」や「かっこよくお願いします」といった抽象的な要望だけが前面に出され、そのまま深掘りされずに進行してしまう案件も少なくありません。
さらに悪いケースでは、制作者側も「言われた通りに作ればいい」「とにかくビジュアルで押し切る」という意識で動き、結果として“中身のないサイト”が納品されてしまうのです。
そして公開後、誰にも使われず、更新もされず、結局リニューアルに追い込まれる。そんな“残念なサイト”の共通点とは何でしょうか?
トップページだけ華やかで、中身のページはスカスカ。更新できる場所も用意されておらず、会社として伝えるべきメッセージや実績が蓄積されていかない。結果、公開して数ヶ月後には「どこを見ても情報が古い」状態になり、信頼感が低下。
デザイナーが「作品」としてこだわり抜いたデザインを実装したものの、WordPressの管理画面は複雑で触れない。ページを更新するにも専門知識が必要になり、結局社内で誰も触れず、運用が停止。業者に都度費用を払って更新する羽目に。
「こういう感じでお願いします」という依頼に対し、ヒアリング内容だけを忠実に再現。専門家としての提案も改善案も一切なし。結果、依頼者が思い描いていた“こうじゃない感”が残りつつ、実際には何の機能もしないサイトが完成。
近年のWEB制作現場では、SEOやマーケティング戦略、サイト構成の最適化といった“見えない部分の設計力”が重視されるようになっています。
特にSEO対策については、検索順位を保証できないリスクの大きさから、制作会社自身が対応せず、専門会社に委託または連携というスタイルが主流に。
そのため、制作会社側も最低限の「成果を意識したサイト構造(例:適切な見出し構成、情報導線、CTAの配置など)」を設計する知見が必要不可欠となっています。
しかし実際には、
といったパターンが後を絶ちません。結果として、見栄えはいいけれど「運用できない」「成果が出ない」「放置される」WEBサイトが量産されています。
「問い合わせ数を増やしたい」「採用エントリーを増やしたい」など、WEBサイトで実現したいことを数字や行動レベルで明文化しておくことで、“見た目先行”ではなく“目的指向”の設計が可能になります。
「要望通りに作る」のではなく、「要望+改善提案をセットで出してくれる」姿勢のある制作チームを選ぶことが肝心です。受け身ではなく、戦略視点をもったパートナーと組むことが成果の近道になります。
SEO、広告、SNS連携など、WEBで成果を出すには運用設計が欠かせません。制作と運用を同時に依頼するのではなく、それぞれの専門会社と連携することを前提に制作を進める方が結果的にコストパフォーマンスも良くなります。
WEBサイトは、見た目がすべてではありません。むしろ、目に見えない部分=戦略設計・情報構造・ユーザー動線・更新性こそが、成果を生む土台になります。
デザインだけに力を入れたWEBサイトは、まるで“見栄えだけ整えた空き家”のようなもの。内装も導線も整っていなければ、誰も住み着きません。
そしてこの“中身スカスカサイト”の多くは、「制作を依頼する側にも責任の一端がある」と言えます。なぜなら、「見た目」だけで発注を決め、「内容」についての設計や戦略を重要視しなかったからです。もちろん、すべてを発注者が知っている必要はありません。しかし、「このサイトで何を実現したいのか」を明確に伝え、その実現方法を一緒に考えてくれるパートナーかどうかを見極めることは重要です。
成果が出るWEBサイトとは、「依頼者と制作者が目的を共有し、二人三脚で設計・運用していくことで育つもの」です。見た目のカッコよさだけに惑わされず、「誰に・何を・どう伝えるべきか」を一緒に考えてくれるパートナーを見つけましょう。見た目重視のワナにかからないためにも、表面だけで判断しない目と視点が、いま本当に求められています。