JIRAIZUKAN

MANAGEMENT SIDE

営業・ディレクターが踏む地雷

クオリティ&責任感不足の地雷:Trigger.02

説明が通じない。“読解力ゼロ地雷”

どんな現場でも「言葉の行間を読む力」は、最低限のスキルです。特にWeb制作のように、曖昧なニーズを具体に落とし込むプロジェクトでは、資料やチャット文面の意図を汲み取る“読解力”がないスタッフは、はっきり言って地雷です。

一から十まで説明しないと動けない、例えや比喩が通じない、仕様書の意図を汲めない…そんな相手にいちいち補足説明を求められると、「こっちが全部考えてあげないといけないの?」という疲弊感だけが残ります。

結果的に、説明に時間を取られすぎて本来の業務が進まず、プロジェクト全体が非効率になる悪循環に陥ります。

ケーススタディ

ケース1:簡単な資料でも「これはどういう意味ですか?」

共有した資料に「この部分は前ページと同じ構成で」と記載していたにも関わらず、「前ページってどこですか?」「“同じ構成”って、コピペですか?」と質問が止まらない。
業界経験もそれなりにあるはずなのに、文脈を読まず、言葉を“字面通り”にしか理解しない。
最終的には、作業よりもQ&Aのやりとりに時間を取られる始末。

ケース2:ワイヤーに忠実すぎて意図を読み取れない

「このあたりは状況見て調整してください」とラフに伝えたはずが、「え?具体的な指示がなかったので…」と手をつけず放置。
一方で、こちらの細かな指示は完璧に再現されていて、逆に“指示のないところは一切対応しない”という姿勢が浮き彫りに。
臨機応変さゼロで、制作なのに“想像力のいらない仕事”のように捉えられていた。

ケース3:「そういう意味じゃないんですけど…」の連発

やり取りの中でこちらの説明を曲解し、自分の解釈で進めた挙げ句、出来上がった成果物がまるで違う方向に。
「いや、それは違う」「そういう意味じゃなくて…」という説明をするたび、「そうなんですね、気づきませんでした」と他人事のような返答。
話が通じないこと自体がストレスに変わり、次第にこちらの説明も細かく・冗長になってしまう。

解説

「仕事ができない人」=「技術が足りない人」と思われがちですが、実際は“読解力がない人”のほうが現場の足を引っ張ります。
会話やチャット、仕様書の“意図”を理解せず、逐一「どういうことですか?」と返してくる相手には、伝える側のリソースがどんどん奪われます。
また、意図を汲まずに“勝手な解釈”で作業を進めるタイプも危険。修正コストが倍増し、時間も信頼も失われてしまいます。

問題は、読解力がない人ほど「自分はちゃんと話を聞いている」と思い込んでいること。こちらが“言い方を変えれば伝わる”と信じて説明を重ねても、本質はなかなか変わりません。
つまり、「説明すればわかるだろう」という期待が通用しない相手と割り切る必要があるのです。

解決策

「察する力」に期待せず、マニュアル化を徹底

読解力に頼ると事故が起きるため、具体的な指示・例・参考URL・NG例などを可能な限り提示する。
説明をシンプルにせず、“明文化しきる”ことで思考の余白を与えない構成が有効。

補足を繰り返す人には“そもそも依頼しない”判断も

こちらが都度、詳細な資料を作らないと理解してもらえないようであれば、その人材は戦力ではなくコスト。
説明工数が多い人ほど、継続依頼は避けるのが賢明。社内メンバーに教育する場合も同様。

要約・確認コメントを必須ルールに

「依頼内容を自分の言葉でまとめて返す」ルールを取り入れるだけで、相手の理解度を可視化できる。
できない・やらない場合は“わかっていない”サインとして見極めの指標にする。

まとめ

「わかりやすく説明してくださいよ」と言われたとき、本来なら「そこまで丁寧にやるのが当然」と思いたい気持ちもあります。
でも現場は常に時間との戦い。言われたことしかできない人、読んでも理解できない人、確認せずに作業に入る人、こうした“理解力の壁”が重なれば、たとえ内容が軽微でも、進行は想像以上に重たくなるのです。

だからこそ、私たち進行側は「この人にはどこまで伝えれば伝わるか」を見極めながら、共有の方法・回数・言い方を調整していく必要があります。
とはいえ、それがすべての人材に対して常に発生するとなれば、体力も時間ももたないのが実情。
“読解力”はスキルではなくマインドであり、「受け取ろうとする姿勢」があるかどうかにかかっています。
この姿勢が欠けているスタッフに悩まされているなら、それは“コミュニケーションの問題”ではなく、“リソース選定ミス”かもしれません。

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