CLIENT SIDE
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WEBサイトは“納品して終わり”ではありません。
リリース後の運用こそが本当のスタートであり、そこから継続的に情報を更新し、改善を重ねることで初めて「活きたWEBサイト」になります。にもかかわらず、「納品したら連絡が取れなくなった」「軽微な修正をお願いしても全然対応してくれない」など、運用フェーズでのトラブルは後を絶ちません。
制作段階では「アフターサポートもバッチリです!」と豪語していたのに、契約が終わった途端にレスが激減する。そうした“契約後のやる気のなさ”に、信頼を裏切られたような思いを抱いたクライアントも多いのではないでしょうか。
今回は、「サポート対応がまったく機能していない制作会社」による実例をもとに、どんな点に注意すべきか、契約前に何を確認すればよいのかを整理していきます。
納品後、キャンペーンページの更新を依頼したところ、数日経っても返信が来ない。催促してようやく「確認します」と返ってきたが、その後また音沙汰なし。結果、修正完了までに1週間以上かかり、キャンペーンのタイミングを逃してしまった。
ちょっとしたテキスト修正をお願いしたところ、「それは別途費用がかかります」と言われ、納品時には聞いていなかった“保守範囲外”という言葉で一蹴された。保守契約に含まれる範囲の説明が事前にほとんどなかったため、不信感が募った。
保守契約を月額で締結していたが、実際には何もメンテナンスされておらず、サーバーのSSL証明書が切れてサイトが表示されなくなるトラブルが発生。緊急連絡にも反応がなく、別の業者に対応してもらうことに。契約だけして実務は一切行っていなかったことが発覚した。
「納品して終わり」という姿勢は、もはや時代遅れの制作スタンスです。現在のWEBサイトは“情報発信のハブ”として常に動き続ける存在であり、定期的な更新・改善が前提となっています。それにもかかわらず、運用・保守の体制が不透明なまま契約してしまうと、あとからトラブルになるリスクが非常に高まります。
多くの制作会社では「保守も対応します」とは言うものの、実際にどこまでを“保守”と見なしているか、その定義が曖昧なことがよくあります。しかも、対応が遅い、連絡がつかない、対応内容にムラがあるなど、“言っていたことと違う”状況に直面することも珍しくありません。
なかには、最初から「納品までが仕事」と割り切っており、その後の対応にはほとんど力を入れない業者も存在します。見た目の価格が安くても、運用・改善のサポートが得られないなら、長期的には大きな損失につながる可能性もあるのです。
保守契約を結ぶ際は、「どんな作業が対応範囲なのか」「修正依頼の受付方法と対応期限はどれくらいか」といった具体的な条件を必ず書面に落とし込みましょう。口頭の説明や曖昧な表現は後のトラブルの元になります。
制作実績だけでなく、“運用支援を継続している”実例を確認することが大切です。実際に他のクライアントがどういった形で保守や更新を依頼しているかを見せてもらうことで、その業者の運用力や対応スピードの目安がわかります。
いざというときに備え、別の制作会社やフリーランスと「保守代行」などの選択肢を用意しておくのも手段の一つです。ワンオペでの運営や小規模な体制の業者は、急病や人手不足で連絡がつかなくなることもあるため、バックアップ体制は重要です。
WEB制作は“完成”がゴールではなく、“運用”が本当のスタートです。リリース後にこそ情報の鮮度、動線の最適化、セキュリティの維持といった地道なメンテナンス作業が必要となり、それを支えるのが制作会社のサポート力です。
にもかかわらず、「修正を頼んでも動いてくれない」「問い合わせにすら返答がない」という状況に陥ってしまえば、せっかく費用をかけて作ったサイトも無用の長物になりかねません。さらに、放置された更新ミスやセキュリティ不備は、信頼失墜や機会損失に直結します。
重要なのは、契約前から“保守と対応の姿勢”を見極めること。
言葉ではいくらでも「アフターも対応します」と言えますが、本当に大切なのは、“約束を具体的な仕組みとして明文化できているか”“継続的な対応が実績として証明されているか”という部分です。
「納品したらサヨナラ」ではなく、「運用まで一緒に並走してくれるパートナーかどうか」
それを見極める目を持つことが、これからのWEB運用において欠かせない視点です。